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雲南シャングリラへ(1) 神の山 梅里雪山

         写真1 徳欽の村

      写真2 夜明け前の山

1021日、朝6時50分。天気は快晴。その日私は、中国雲南省徳欽(とっきん 写真1)の小高い丘の上から、西に聳える山々を眺めながら、日の出を待っていました(写真2)。徳欽は中国の西の果て、山を越えればミャンマーです。緯度は那覇と同じくらいですが標高は3,500メートル。空気は薄く、気温は8度。朝の冷気が身に沁みます。日の出は725分前後。日の出までまだ30分。でも昨夜見た、降るような星空は、もうとっくに影を潜め、辺りは白々とし始め、山の輪郭も次第にはっきりし始めました。(写真3)

 

          写真3

私がこの梅里雪山を見たいと思ったのは、以前、何かの写真集で見たこの山の凛とした姿、槍の様な尖った頂上から麓に向かって衣がたなびく様に山裾が広がって、優美で神聖な気配がする景観に一目で惹かれたからです。案の定、この山の景観は世界一美しい山ともいわれていることを後で知りました。さらに、チベット教徒の信仰の山で狄世了“とも呼ばれていました。

 

後で知った狎こΠ貳しい神の山“、それはまさに私が最初に写真集で見た印象を裏付けるものでした。そしてさらにもう一つ、ここが、英国人小説家が書いた「失われた地平線」に登場する理想郷シャングリラ(桃源郷 写真4)が近くにある事も、何だかこの名前の響きに誘われるほのかな郷愁と相俟って、よし、中国旅行の仕上げとしてはここだ、と思ったのです。

 

   写真4 シャングリラ郊外 納帕海(季節湖)

 

 ともあれ、その日は快晴。私の周りにも数人の人が集まり始め、日の出の時を待っていました。そして、それはまさに不意に訪れました。連峰の一番高い山の頂に、まるで誰かが突然スポットライトを当てたようにポッと柔らかな明るい光が灯もったのです。日の出です。背後からの日が、槍の様な峰の切っ先に当たりました(写真 5)。

           写真 5
その光景は、想像した以上に劇的で、何だかシャッターを押すことさえ憚れるような神秘の一瞬でした。まず私の脳裏に真っ先に浮かんだのは狹径更瀘“と言う言葉。特に信仰深いわけではないのに、そして、その意味もあいまいなままに、ここが異国の、異教徒の信仰の山であることを忘れ狹径更瀘“とつぶやいていたのです。純粋に、単純にそう思いました。それ以外の言葉は見つかりませんでした。やがて神は首元まで降りると(写真6)、今度は次の高い峰へと姿を移したのでした。(写真7・8)。
          写真 6
          写真 7
         写真 8

神は淡々と一連の儀式の様に峰々を照らし終えると、白い天使の衣を纏って稜線を下って行きました(写真9)。近くにいた中国人の若い女性が「好美!好美!(ハオメイ!ハオメイ!何と美しい!)」と今にも泣き出しそうな声で何度も叫んでいました。

 

           写真 9

 

そして思ったのです。この瞬間を見ただけで、昨日は雲に隠れて見えなかったもう一つの高峰玉龍雪山(5,596メートル)への失望も、連日の早起きも、高めの旅行費も、高山病による軽い頭痛も、うんざりモードの朝昼晩の連日の中華料理攻めも、ホテルのうるさい空調も、汚いトイレも、扉が無いトイレも、流れないトイレも、いやそればかりではない、異国での青空トイレでのキレの悪さも、さらには中国嫌いの友人達の、私の中国旅行に対する誹謗のささやきも・・・それらの全てを包み込めた・・・。と、率直にそう感じたのです。

ー(2)へ続く―。

 

 

        写真 10 (梅里雪山氷河)

 

白范雪山 峠越え 標高4,292メートル

 

 

 

| 老真 | - | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2016/12/12 10:34 PM posted by: 老真
茨城の春樹さん、コメントありがとう。(2)は準備中だけど、パソコンの調子悪く、回復に奮闘中。もう少し、待ってください。
2016/12/12 9:07 AM posted by: 茨城の後宮春樹
雲南のシャングリラへ(1)拝読(壮大かつ美しい写真は拝見)させて戴きました。正に今年の流行語大賞の「神ってる」そのものですね。ところで(2)は発信されるのですか?私も含め、とくに「真ちゃんファン」の某氏夫人が待ち焦がれてるのではと思っています。
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