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帰路、岐路に立つ。 ―中国語検定試験を終えて―

      やっとこぶし咲く  2012年3月29日

中国語検定試験が終わった。準1級への8度目の挑戦は玉砕に終わった。 それどころか、もしかしたら、これまでの試験の中では最悪の結果だったかも知れない。それでも事前の勉強時間はかなりのものだった。とりわけ、直前の3日間は寸暇を惜しんで勉強に打ち込んだ。「トイレの神様」にあやかって、トイレまで単語帳を持ち込んで勉強したが、女神はほほ笑んではくれなかった。 

さらには、かなりの時間を費して必死で覚えた1000語近くの慣用語や4字熟語は、なぜか1題も出題されなかった。そこに特定の参考書に対する検定協会の何らかの意図さえあるのではないかと疑いたくなるような出題ぶりだが、素直に考えれば、参考書による付け焼刃な勉強方法への警告かもしれない。

ともあれ、前回は初めて全受験者の平均点を上回って、少しばかり手ごたえを感じ始めてはいたのだが、8回目の挑戦結果は、協会の解答速報での自己採点によると初挑戦時に逆戻り。8度、名落孫山に到った。  

試験が終わっての帰路、反省を込めて原因を分析してみた。検定協会の意図はともかくも、詰まる所、瞬発力の衰えだ。リスニングの試験の一つに、中国語で放送される中国語をそのまま中国語で書き取るテストが有るが、放送のスピードについていけなかったし、時間が有れば思い出された単語も瞬時に思い出して書き写すことが出来なかった。

中文の日本語訳に関しても、個々の単語の意味は分かっても、文としてとらえると、どの様な構造の中で展開されているのか、いち早くに見出さなければならない。それは参考書便りに、決まった文型を勉強するだでは、到底対処できない。つまり、パッチワークの様な知識の詰め込みではだめだという事がはっきりわかった。 

やはり、ここを突破するには若さと柔軟性と瞬発力が必要なのだ・・・・・。 (と、ひとまずは歳のせいにしておこう)。 幾ら自分には多くの自由な時間が有るといっても、若さと柔軟性と瞬発力は取り戻せない。


      サクラはまだまだ 2012年3月29日


 サクラのつぼみはまだ硬いのに我家の前の土手には屋台が出た


さて、今後どうするか? もう諦めるか。 時間をかけて、パッチワークを繕い直してもう一度、糸を紡ぐ所から始めるか? 試験会場からの帰路、心の岐路に立った。    

翌日、中国語の先生と話し合った。 先生は「今回の問題は確かに難しい。特に中文の和訳は問題があまりに抽象的描写で、これは、あまり実用的な問題ではない。」との感想だ。やっぱりね。
因みに、その問題の一節にある中国語から日本語に訳す協会の模範解答はこうだ。

「人間は無知や怠惰を許されないわけではないが,これらの陋習を高貴な品格に偽装してはならず,自分が高尚になれないからと言って,優れた品格を具えた人が偽っていると中傷してはならない。」

模範解答は日本語で理解するのも何だかややこしい。「無知や怠惰を高貴な品格に偽装する」って、意味は分かるけれども論理が飛躍しすぎて、例えその様に訳す事が出来たとしても、その論理を疑って、素直に日本語にする事は出来ない。無知や怠惰を高貴な品格に偽装し得るわけがないと思うのだ。それに、第一「陋習」って日本語は読めないし、意味も知らない。果たしてこれが実用的と言えるだろうか? 

って、まあ、瞬発力と柔軟性の欠如、試験の実用性の無さとが相俟って、ここに決断をした。8転びしても起き上がれなかった中国語検定試験への挑戦はこれで終わりにしようと思う。本当は 「両手の指で数えられるまでは挑戦しよう」 と思っていたが、今回の結果はそこまでやっても合格の可能性は低い事を思い知った。検定協会の試験は2級を以って卒業だ。

ただ、リタイア後の生活の核として存在していた中国語の学習を放棄するにはちょっと忍びない。何の目的もなしに無為に老後を過ごすのも虚しい。 やはり、中国語の学習は続けることにした。しかし、先生の勧めもあって、日本の検定協会による試験ではなくて、より実用的な中国政府公認の国家レベルの資格試験であるHSK(漢語水平考試)に切り替える事にした。これは、全世界で実施されており、コミュニケーションの習得度を重視した試験で、より実用的なものの様だ。 

明日、早速本屋に行って、HSK対策の参考書を買おう。
ま、今夜は今度の完敗が、新たな決断を与えてくれた事に感謝し、そして新たな挑戦への前途を祝して、祝杯でもあげるか。  

そうだ、カンパイにカンパイ! ついでに Vive, soixante six ans !  Je suis porter bien son age !  (えっ? このフランス語も間違ってる、ってか?)

                                   

          
 


    

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